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2014.9.27 作成

MSとCSは何がどう違うの?

メルクリン・デジタルで一番わかりにくいと言いますか、想像しにくく理解されにくいのが、モバイルステーション(MS2)とセントラルステーション(CS2)の違いではないかと感じています。
そこで、この2つは一体何がどう違うのかということについて、私個人の感覚を書いてみたいと思います。

昔の携帯電話とスマートフォンのようなもの

MS2とCS2では当然使える機能が違います。しかし、機能が豊富であるということ以前にもっと根本的な違いがあります。
例えば、ただ1台の列車を走らせるだけだったとしても、MS2とCS2では使い勝手が全く異なります。

MS2はボタン操作でモノクロ液晶です。対して、CS2の方はタッチ操作でカラー液晶です。
メールを作成して送受信する場合の、ケータイ電話機とスマートフォンの違いを想像してみてください。ケータイの方は昔のモノクロ液晶の機種だと考えてください。

ケータイの方は文字を打つのにボタンを何度押したり、メニューの選択もボタン操作です。モノクロ画面ですから、写真が添付されていてもカラーでは見られません。
スマートフォンの場合には、文字の入力にはキーボード方式やフリック方式などいくつかの方式があり、指先で素早く文章を作ることが出来ます。また写真も文字もカラーで見やすいです。
「Yes」と「No」もモノクロでは文字を読まないとわかりませんが、カラーならYesが緑でNoが赤と色の違いで感覚的に理解することもできます。
この違いが、そのままMS2とCS2にも当てはまります。

列車を走らせるだけでも、MS2は何回かボタンを押して、操作する列車を呼び出してから、ノブを回して速度を調整する必要があります。
メニューの文字は英語やドイツ語で書かれているので、言葉を覚えなければなりません。
ボタンは2つのボタンを同時に押さなければならない操作もあるため、両手で操作する必要があります。
ノブによる速度の指示も、一発で確実に指定した速度にすることは熟練の技でも習得しない限りは難しいです。実際に列車の動きを見ながら手元で細かく調整する必要があります。

CS2の方は、列車の名前や写真が付いた一覧表が表示されます。その中から走らせたい列車をペンでタッチするだけで、列車を呼び出すことが出来ます。
走行に必要な操作のほとんどは文字が書かれたボタンではなく、アイコンで表現されていますので、英文字を理解する必要は最低限で大丈夫です。
速度の調整もワンタッチです。ボタンを同時に押すこともないので、片手で指先でも操作できます。コーヒーを飲みながらでも運転できますし、コントローラーの元を離れて、走っている列車を近くから眺めることも容易に出来ます。

具体的に、ある機関車を時速50Kmで走らせたいとします。たったこれだけのことが、MS2では簡単にはできません。
MS2の画面では、どこが時速50Kmで、どれだけノブを回したら50Kmになるのかが、見た目ではほとんどわからないからです。
CS2なら速度計の50Kmの位置をタッチするだけでできる操作が、MS2では毎回ノブを回して試行錯誤しなければなりません。ある程度ノブを回してみて、列車の動きを見て確認し、速すぎたら遅くなるように、遅かったら速くなるようにノブで調整します。

多くの場合、列車の種類ややレイアウトの形状によって、その人の好みの速度というのがあります。この列車はこのくらいで走らせたいんだという速度です。
CS2なら速度計やシャトルトレイン機能を使うことで、ワンタッチで確実にその速度を覚えさせて指示することができますが、MS2では毎回微調整しなくてはなりません。
CS2ならワンタッチで毎回確実にできることが、MS2では毎回いちいち面倒な操作を繰り返さないとできないのです。
この「毎回」という部分は重要です。毎回簡単なら、毎日列車を走らせようという気持ちになりますが、毎回面倒なら休みの日に時間を取ってやることになってしまうのです。
CS2は朝起きた時に電源を入れておき、走らせない時にはSTOPを押しておけば、ちょっとした時間でいつでもレイアウトの走行を楽しむことが出来ます。なぜなら操作が簡単で、ほぼ全自動にも出来るからです。

初めて鉄道模型に触れる人も含めて、一般的にはボタンを何回も押したり複数個押したりする操作よりは、ワンタッチ操作の方が「簡単である」ことは確実です。

登録操作と上限台数の問題

次にMS2で問題になるのは、機関車の登録上限数と、登録削除の操作そのものです。
CS2なら、買った機関車はどんどん登録していっても問題ないですし、機関車の呼び出しも簡単です。

しかしMS2では、40台という列車の登録上限数があります。
40台は多いようにも感じますが、意外と足りなくなることもあります。間違って二重に登録してしまったり、DCCなども持っている人なら、DCCの機関車も登録したり、友達と遊んだときに友達の機関車を登録したりすると、40台に達してしまうことがあります。

それに登録上限数は40台でも、実際に画面のスロットに表示されてすぐに選択できるのは11台のみです。12台目以降はLoco Listからの入れ替え操作が必要になります。
※MS2のバージョンによってはもっと台数が少ない場合や操作が異なることがあります。
はっきり言って、これはものすごく面倒ですし、そもそも概念自体が非常にわかりにくいです。

実際にこのサイトに来る問い合わせの一定の割合は、MS2の単純な登録削除操作だったりします。
一方で、レイアウトのことやメモリーの設定、K84を使った特殊な制御のことを除いた、CS2の操作そのものに関する質問はほとんどもらったことがありません。
それくらい、実操作としては、MS2は感覚的にわかりにくいのだと思います。

私は海外の列車の形式にはあまり詳しい方ではありません。
小さな画面で名前しか表示されないと、そもそも登録した機関車がどれなのかわからないといったことも発生します。
CS2ではリストに表示される数が多いことと、最近使用した機関車だけが表示される画面があること、アイコン写真で列車の形を確認できる機能など、複数の確認手段が提供されているので、比較的これかな?というのがわかりやすいです。

MS2を使っていると、走らせる以前の問題として、デジタルって面倒だなとか、これならアナログ鉄道模型でいいやなどと感じてしまうのではないかと思います。
MS2というコンロトーラーは、複数の列車をコントロールするというデジタル最大の機能を使うには、あまりにも不親切で使いにくい設計であると言わざるを得ません。
MS2はメインのコントローラーではなく、デジタルスターターセットに同梱されている「おまけのコントローラー」であると考えてもらった方が良いです。

MS2とCS2は全く別物

MS2というコントローラーだけを使っていると、メルクリンと他の鉄道模型との差がわかりにくいです。
MS2できることはメルクリン以外の鉄道模型でも、ほとんど出来ることばかりです。
しかし、CS2でできることの中には、メルクリンでなければできないことがたくさんあります。
そして、そこへステップアップしようという気持ちが、MS2を使っている限りはなかなか湧いてこないのです。
このことがMS2を使う最大の弊害だと思います。

私はメルクリン・デジタルには大きく分けて2つの遊び方があると思っています。
ひとつは他の鉄道模型と同じ運転士ごっこ的な遊び方です。1台の列車を付きっきりで運転する楽しみです。
もうひとつは、運転司令室ごっこ的な遊び方です。レイアウトを自社の鉄道網として捉えて、そこに様々な列車を走らせていきます。ポイントを切り替えたり、信号機を切り替えたりして、列車の運行全体をコントロールする楽しさです。
運転士ごっこは多くの鉄道模型で実践可能ですが、運転司令室ごっこはメルクリンが得意とする、メルクリンならではの遊び方です。

ケータイとスマホの例で言うと、ケータイであるMSは基本的に通話とキャリアメールしかできません。ブラウザーなどはおまけ程度の機能と能力しかありません。
スマホはネット端末で、小さなパソコンのようなものです。
ケータイとスマホは機能も違いますが、用途も大きく違っています。
※スマホが優れているという意味ではありません。この2つは似たような機器だと思われていますが、機能と用途が大きく違う機器であるという点が重要です。

MS2では2つのうち、運転司令室ごっこで遊ぶことはできません。
CS2は両方できるだけでなく、運転士ごっこについても、mfx+でより実感的な操作(例えば惰性走行、燃料消費等)で運転することが出来て、さらに他の列車を走らせているレイアウトの中で、自分が選んだ列車の運転士を担当することもできるのです。

いわゆるコストパフォーマンスといわれる機能対価格を考慮すると、価格が高い(=コストパフォーマンスが悪い)のは、むしろMS2の方です。
例えば、My Worldやデジタルと名前の付かない無印のスターターセットを買った人が、ボタンの付いたコントローラーで限界を感じたときには、価格が十分に機能に見合っているので、比較的容易にステップアップしようと思えるのではないかと思います。
しかし、MS2の場合は、デジタルスターターセットであっても、わりとまとまったお金を使ってしまっているので、躊躇してしまいます。いまあるMS2で頑張れるのではないか、もう少し使いこなせるのではないかと。
それは無理です。おまけコントローラーのMS2ではできないことが多すぎますし、そもそもMS2はそれ単体では不具合を修正することも、機能をアップデートすることもできません。

機能が付いているから、できそうだから頑張ってみようというのは、少ない余暇の時間を割いて遊ぶ趣味に対しては、余計な本来はしなくても良いがんばりではないでしょうか。本当に頑張る部分はもっと別のところにあるかもしれません。
しかし、数万円というまとまったお金をコントローラーにかけていることが、使い勝手の悪い機器に対して執着になってしまうのです。
もう少しまとまってからお金を使っていれば、CS2は買えたかもしれません。または、機関車を2~3台我慢すればCS2は買えます。

おまけのコントローラーとしては高すぎる価格が、判断を鈍らせるのです。
そのため、私は最初にデジタル・メガ・スターターセットかCS2を頑張って買うことをお勧めしています。

例えば、ポイントの切り替えですが、レイアウト上にポイントが10個あった場合、もしアナログシステムなら、ポイントの切り替えスイッチを板にずらりと並べれば、10個のスイッチが板の上に並ぶので一目見てわかりやすく、ボタンひとつで切り替えることが出来ます。

しかし、デジタルでMS2の場合には、ポイントの切り替えはできますが、画面には2個のスイッチしか表示できません。10個のポイントを切り替えるには、ポイントの画面も切り替える必要があり、アドレスが連番になっていない場合には非常に煩雑な操作になります。
機能はあるのですが、アナログの簡単なスイッチにも劣る使い勝手なのです。でも、機能はあるんだからできないことはないんだと考えてしまいがちです。しかし、小難しい操作を頑張って覚えることは大変ですし、ストレスもたまります。

CS2を使った場合には、そもそもスイッチを10個並べる必要がありません。
レイアウトの図を描いて、その図を直接タッチすることで切り替えが出来るので、どのポイントがアドレス何番かを覚える必要もなければ、切り替える位置も方向も図で見て一目瞭然です。
しかも、複数のポイントを一括して切り替える操作をメモリーに登録しておき、それをレイアウト図の中に追加しておけば、「車庫に入れる」「2番ホームを開通させる」といったスイッチ自体を自分で作り出すことが出来るのです。
もちろん、スイッチパネルを従来通りに並べることもできます。

実際にCS2を使ってみた方のご意見から

これまでにいろいろとご質問いただいた方の感想を紹介しながら、MS2とCS2の感覚の違いを説明します。

加減速遅延の設定をされた方は、自分で設定が出来るようになってから「列車の走りが変わった」と感じると言われました。また「好きな機関車が変わった」という方もいます。
MS2で自分でノブを回していた時には、加減速遅延を設定する必要性を感じなかったそうですが、好みの加減速を設定できるようになった後には、MS2でも「なめらかに停車する」「発車の時に動輪の動きをよく見ることが出来て楽しい」など、走らせ方は変わったそうです。
もっと単純に「ブレーキスキール音が毎回きっちり鳴るようになった」と感動していた方もいました。
※らしく止めようとして、ノブをゆっくり回して停車させるとブレーキ音が鳴らない場合があります。「らしく」の部分を減速遅延できっちりと設定してあげれば、ある程度以上の速度から、ワンタッチで速度ゼロを指示するだけでブレーキ音は確実に鳴ります。

メモリーを覚えて、発車時にアナウンスや警笛などを設定された方は、やっとたくさんファンクションがある列車の使い方が理解できたとおっしゃっていました。
16個の機能があっても、ボタンで毎回押すのでは、そのうち飽きて使わなくなっていたそうです。ドアの閉まる音や車掌さんの笛などは、毎回ボタンを押すのをいつしかやめていたと。
メモリーならワンタッチで設定したいくつかのパターンを鳴らし分けることもできます。

駅の放送が入って、車掌さんが笛を鳴らし、ドアが閉まる音がして、警笛を鳴らしてから、ゆっくりと発車して、お気に入りの速度まで加速する。これはCS2のメモリーを使えばワンタッチです。
登録してワンタッチになるから、好きなサウンドを毎回使うのです。このことが重要です。
多機能でも簡単にならないのなら使わないという方が普通です。

シャトルトレインで本棚の上を往復するレイアウトを作ったよという人は、次はもう1本線路を増やしたいんだとか、次はポイントで分岐させて別の動きにさせたいんだとか、レイアウトを考えることが面白いと言います。
自動で往復する列車を眺めているうちに、他の列車も走らせたくなるのだと思います。
その気持ちは、1台の列車を運転する遊びではなかなかできない発想です。
操作が簡単になり、余裕が出れると、次にやりたいアクションが見えてきます。この繰り返しがレイアウトを進化させ、同時に飽きないで遊び続けられる原動力になるのだと思います。

レイアウトを大きく広げる必要はありません。
走っている列車を眺めていると、引き込み線を追加しようかな、駅に入るときには速度を落としたいな、駅にも照明がほしいな、1周ごとに反対向きに走らせようかな、乗客のフィギュアを乗せようかな、途中のカーブのところでは警笛を鳴らしたいな、するとそこには踏切があるといいかな、などなど。
山や海のような情景を作り込まなくても、まだまだ鉄道にさせたいことが次々と思い浮かんでくると思います。
次のボーナスでは引き込み線を増やすぞ、フィギュアを買うぞ、センサーを追加するかといった感じで無理なく増やしていき、やっぱりこの駅はもう1線必要だなとか、ここはもう少しカーブにしてみようとか、そういう調整しているだけでも、相当長い時間同じ場所のレイアウトをいじって楽しく遊ぶことが出来ます。
※だからレイアウトのレールは固定しない方が良いのです。

このように、MS2とCS2は、同じ遊びのコントローラーの廉価版、上位版という位置づけではありません。
できる遊び方に違いがある、まったく別物のコントローラーなのです。
MS2が悪いという意味ではありませんが「できないことがかなりたくさんある」という点は、理解しておいた方が良いと思います。

最後に、当サイトでモバイルステーションを対象外にしている理由を説明します。
これは単純で、私が普段使っていないからです。このサイトは私が試してできることを解説するということをルールにしています。
「説明書にこう書いてある」「メーカーがこう言った」というサイトではなく、「こう書いてあることをやってみたらこうなった」というサイトです。ですので、私がやってないこと、知らないことは書いてありません。

モバイルステーションは持っていますし、使ったことはありますが、例えば、バージョンひとつ取っても、バージョンが違うと操作やメニューが大きく異なっていて動作もかなり違います。
極端な話、バージョンが古いMS2と新しいMS2では、機関車の削除の方法が、メニューに表示される文字からして全然違うのです。
それらの違いを認識して個別に説明することは、私にはできないですし、MS2を使っている人も自分がどのバージョンを使っているのかよくわからないということもあります。
それにCS2と違って、バージョンが古いMS2ユーザーに「それではバージョンアップしてください」とは言えません。その機能がMS2単体にはないからです。

きちんとした販売店で購入していれば、販売店でバージョンアップしてくれるかもしれませんが、そんなのできないよという販売店(販売するだけ)もあると思いますし、個人輸入で買っているような場合には手の打ちようがありません。
MS2をバージョンアップするためだけに、CS2を買ってくださいとも言えないですよね。
一応、比較的新しいMS2の基本操作は説明していますが、それ以外はサポート対象外ということでお願いいたします。