CS3の機能と対応について

CS3について、販売店を通じてメルクリン社に問い合わせた結果、いくつかの回答をもらいました。

★【2017年2月5日】センサートリガーも正常に作動しないことを、記事の末尾に追加しました。

 

1.シャトルトレイン機能

CS3にはシャトルトレイン機能はありません。
現状ではイベント(メモリー)機能で、(メルクリン社曰く簡単に)機関車の動きを設定できるため、イベント機能をご利用ください。
将来的には、従来のシャトルトレインと同等の画面の実装を検討する可能性はありますが、現時点では実装予定はありません。

 

2.旧製品のS88(型番60880)をそのままで、コントローラーだけをCS3に置き換えることは出来ません。

ノーマルのCS3を購入したとしても、CS3Plusを購入したとしても、旧製品S88(型番60880)をCS3に接続して使用するには、下記のいずれかの方法を採るしかありません。

(1)L88を新規に1個購入して、CS3にL88を接続してから、L88のBus3に旧製品S88(型番60880)を接続する。

(2)新製品のS88(型番60881)を、現在使っている旧製品S88(型番60880)の台数分購入し、さらにCS3の背面コネクターと新製品S88(型番60881)を直接接続する専用ケーブルを1本購入して、CS3と新製品S88(型番60881)を接続する。

(1)の方法では、CS2のメモリー設定はそのまま使用できません。接続Busが変わるため、メモリーに登録してある「ポート番号」はすべて書き換えが必要になります。
(2)の方法では、CS2のメモリー設定はそのまま使用できますが、機器を全て買い換える必要があるため、リプレースのためのコストがかかることになります。
また、次の3.で記載する問題もあるため、(2)の方法はあまりオススメできません。

 

3.CS2でのメモリーの自動実行セット切り替え機能(A、B、C・・・という横一列ごとに自動実行するルートをオン・オフできる機能)は、CS3ではありません。

CS2でメモリーでの自動運転パターンを複数登録していて、自動実行のオン・オフで切り替えているという人は、CS3では自動実行を選択して切り替える機能がありませんので、そのままでは移行できません。
もしそのままのメモリーで移行してしまうと、排他的な動作を登録しているルートが、同時に実行されてしまうため事故が発生する可能性があります。
CS3では、排他的なイベントを登録しないように、ユーザーが注意して設定する必要があります。

 

※センサートリガーが機能しない問題については、メルクリン社からは『正常に機能するはずで、私のCS3個体個別の問題ではないか?』と回答されています。
このため、現在問題の切り分け作業を行っていますので、解決までにしばらく時間がかかります。
→2017年2月5日:センサートリガーは正常には動かないことが確認されました。詳細は、この記事の末尾に記載しました。

 

以下、私個人の所感になります。

 

正直な気持ちとしては大変残念です。

時代のせいなのか、メルクリン社自体の方向性が変わりつつあると感じましたし、鉄道王国としては、CS3は現時点では全くオススメできないコントローラーであるとしか言えません。

 

個別の機能はともかくとして、一番衝撃的なことは、メルクリン製品なのに互換性がない機能が多いことです。
これまでのメルクリン製品は、今まで買っていたものは、故障でもしない限り、基本的には互換性があり、新製品が発売されてもそのまま使い続けることが出来ました。
例えば、最新の機関車でもアナログレイアウトを走行できますし、昔のスイッチ型のキーボードでもポイントを切り替えることができました。

しかし、今回は、CS2では出来ていた機能が、CS3では(少なくとも現時点では)実現できないということが、正式な回答となりました。
そればかりか、CS3に買い替えると、旧製品S88(型番60880)を使って自動運転している人や、排他的なルートを登録している人は、新製品への機器の買い替えが必要になったり、設定をすべて書き換えたり、運転パターンの切り替えができなくなったします。
つまり、CS3よりも、CS2の方が高機能で便利で使いやすい製品であるということです。

私の感覚では、これから全く新規にCS3を買ってメルクリンを始める人以外は、CS3を購入するメリットがないばかりか、高額な価格に見合っていない損をするコントローラーだと思います。
また、新規に始める方でも、私のサイト「鉄道王国」に書いてあることが、CS3では一部実現できない可能性があるということになります。

CS3は粗悪なコントローラーではありませんが、CS2と比較すると、使いやすさ機能ともにダウングレードしていることは確実です。
実際に、私のレイアウトはCS2では自動運転が出来ますが、コントローラーをCS3に移行すると、同じ運転が出来ないばかりか、余計な出費と機器交換と設定変更も必要ということが確定しました。

 

自動運転をしないユーザーや、DCCユーザーにとっては、CS3は現代ではごく普通の多機能型コントローラーだとは思います。
しかし、そういうコントローラーとしては、多数のライバル製品があります。具体的にはECoSやパソコンの運転ソフトなどです。
別にメルクリンのCS3を選択する必要性は感じられません。
日本円で10万円以上する価格を考えると、パソコンやスマホにアプリを導入して運転する方が、よっぽど便利なのかもしれません。

CS2はそういうことがありませんでした。
価格は同じように高かったけれども、パソコンソフトよりも使いやすく高機能でした。私はCS2があったらこそ、自動運転を覚えることが出来ました。

ユーザーインターフェースもわかりやすかったです。
CS2もCS3もタッチ操作はできますが、わかりやすさ使いやすさは雲泥の差です。
別に絶対に指先でタッチしたいわけでもありませんし、指先タッチならスマホやタブレットのような、使いやすい画面構成にするべきだと思います。
自動運転などせずに、単純に列車を走らせる目的だけでも、起動画面に速度計すら表示されない設計、何回もタッチしてウインドウを出したり引っ込めたりしなければならない操作方法、番号並びのキーボードが廃止され必ず登録が必要なアクセサリー画面、狭い画面内に重なり続けるウインドウシステムなど、とにかくストレスばかりを感じます。

また、ノーマルのCS3とCS3Plusの差がよくわかりません。
発売前はCS2から移行するユーザーはPlusが良いと思っていたのですが、結局どちらにしてもそのままでは移行できないのなら、他の機能的な差はほとんどのユーザーにとってたいした意味のないものになってしまいます。
製品を2つに分ければ製造コストも管理コストも上がるわけで、この程度のことでわざわざ2つの製品に分割して発売する必要があったのかという疑問が生じました。
それに今後差がつくのかもしれないと考えてしまうと、いまは買い控える方がお得だとも感じてしまいます。

CS3は、単純に機器そのものとしては、ポテンシャルはあります。
しかし、それをメーカーがより使いやすく、進化させていく予定がないのであれば、コストパフォーマンスが悪い製品だと思います。
今後のメルクリン社の対応に期待するしかありませんが、改善されることを願っています。

 

上記のような現状であることから、当サイト鉄道王国としては、CS3については当面の間は非対応にさせていだくしかないと考えています。

例えば、CS2ではメモリーを組まなくてもシャトルトレインができたので、シャトルを覚えてから本格的な自動運転へとステップアップすることが出来ましたが、CS3ではそれが出来ません。
私が操作した感覚では、CS3でイベントを設定出来るようになるにはかなりの知識も操作も必要になり、シャトルトレインと同等の動きを機関車に設定することは、初心者にはハードルが高いと考えています。
こうなると、鉄道王国の書き方として、いままで自動運転の入門の最初に書いてあったことを、かなり後ろの応用編で説明することになります。
つまり、CS2の場合とCS3の場合とで、学習のプロセスそのものが変わることになるため、現行のサイトのままでは両方に対応した説明を書くことが無理なのです。

メーカーも企業として維持成長していかなくてはならないので、事情はあるのだと思います。
新規ユーザーの方には申し訳ないのですが、鉄道王国としては、しばらくは従来のメルクリンを走らせて遊ぶサイトとしてお楽しみください。

 

【2017年2月5日追記】

4.センサートリガー機能は動作しません。

センサー等をトリガーにして、イベントの命令を実行することは、現時点のCS3ではできません。
つまり、現在のCS3ではレイアウトの自動運転はできません。

CS3の発売直後には出来ていたのですが、何らかの問題が発覚したとのことで、現在はトリガー機能自体が削除されています。

この問題については、3.番の問題と合わせて、社内で認識している部門があり、改善要望を上げていく予定だと回答がありましたが、実現性や時期については不明です。

 

例えば、センサー自体を命令の中に配置したイベントを作り、そのイベントを(動作の度に)毎回手動で待受状態にしておけば、擬似的に1回限りのトリガーとすることは可能です。
しかし、センサーの数と実行される回数分、毎回手動で待受にするのは本末転倒で意味がありません。

 

自動運転をされる方は、CS3は現状では運転が出来ないコントローラーなので、購入はおすすめ出来ません。
改善されるのかも含めて、相当な期間待ったほうが良いと思います。