Javascriptが無効になっています

ご利用のブラウザーはJavascriptに対応していないか、無効に設定されています。
鉄道王国はJavascriptを有効にしていただかないと正しく表示できませんので、設定でJavascriptを有効にしてから再読み込みしてください。

2014.07.06 作成

メルクリンの仕組み

メルクリンは電気で走る

メルクリンは電気で走っています。
見た目はディーゼル機関車や蒸気機関車もありますし、中には煙を出しながら走っている列車もあるのでよく質問を受けるのですが、SLやディーゼルも含めて、全ての列車がレールから電気を取り入れて、列車内にあるモーターを回すことによって走っています。

メルクリンは見た目はどうであれ、すべての車両が『電車』なのです。

鉄道模型ではレールから電気を取り込んで走るため、必ず電源からレールへの配線が必要になります。
また、車両はレールと接触している車輪を通じて車内に搭載されたモーターに電気を供給しています。そのため、車輪がレールから外れると列車は止まってしまいます。
つまり鉄道模型を走らせるためには、常に安定してレールから電気を供給し続ける必要があるのです。これは大変重要なことです。

鉄道模型の違いは、よく線路幅と縮尺で説明されます。要するに大きさと線路の幅の違いです。
しかし実際には、他にも性能に関する多くの違いがあります。
その中でも『走らせて遊ぶ時に重要な点』が、運転の制御方式と集電方式の2点です。

メルクリンHOはデジタル鉄道模型

メルクリンHOの運転の制御方式はデジタル方式です。
ちなみに同じメルクリン製の鉄道模型でも、Zはアナログ式、1番はHOと同じくデジタル式になります。

かつては鉄道模型は全てアナログ式で走っていましたが、現代では時代と技術の進歩で、デジタル式が普及するようになりました。
残念ながら、日本ではデジタル式の鉄道模型をサポートしているメーカーはごく少数です。しかし、世界的にはデジタル式は多く普及していて、メリットも圧倒的に多いのです。

日本はITやロボットなどでは最先端のイメージがありますが、意外なことに鉄道模型のデジタル化では大きく遅れていると、個人的には思います。
日本では実際にデジタル鉄道模型を目にしたり、運転する機会が少ないため、誤解されていることもあります。
デジタル式とアナログ式では機器が異なるだけでなく、走行に関する概念や操作も全く異なります。
はじめにデジタル鉄道模型の特徴を、アナログ式との違いを比較しながら説明します。

アナログ式の鉄道模型の仕組みは、豆電球を点灯させる単純な電気回路と同じです。
電源からの電気をレールに流します。このレールに流れる電気の量を、コントローラーで電圧を変えることによって調整して、機関車の走る方向や速度を調整します。
図のように、豆電球が機関車に相当しているわけです。
電圧を上げると豆電球がより明るく光るように、機関車のモーターが多く回って速く走ります。

電圧を上げると豆電球がより明るく光るように、機関車のモーターが多く回って速く走ります

アナログ式ではレール全体の電圧を変えて列車を運転しているため、電気的に繋がっている同じレールの上には1台の列車しか置けません。どんなに大きなレイアウトを作ったとしても、電気的に繋がっている区間には1台の列車しか存在できないのです。
もし、複数の列車を置いてしまうと、それらはすべて同じ動きをすることになってしまいます。個別には運転できません。

列車を豆電球に置き換えて考えるとわかりやすいと思います。
電線に相当するレールが繋がっていると、手元のコントローラー(変圧器)で電圧を変えた時に、すべての豆電球の明るさが連動して変わってしまいます。
アナログ式で同じ線路上で別の列車を止めておくには、その列車がいる部分だけを電気的に分離する必要があります。

アナログ式ではコントローラーですべての列車が同じ動きをしてしまう

デジタル式では列車にはロボット運転士が乗務している

デジタル式では動力車両には運転士さんに相当する『デコーダー』というICチップが搭載されています。
電圧を変えるコントローラーの替わりに、運転士さんであるデコーダーに指示を送出するコントローラー(コマンドステーションなどと呼ばれています)を使って、レールを介してロボット運転士さんに走行指示を伝えて運転します。

アナログ鉄道模型では、電圧をコントロールして直接列車の動きを制御するのは、コントローラーを握っている『人間』ですが、デジタル鉄道模型では、列車のモーターを直接回しているのはロボット運転士である『デコーダー』です。
アナログ式では操作する人間は『運転士さん』に相当しますが、デジタル式では操作する人間は『運転士さんに指示を出す運転司令室員』のようなイメージです。
同じように豆電球で考えてみましょう。

豆電球1個に1個に電灯をオンオフしたり、明るさを調整するデコーダー(ロボット係員)が付いています。
信号は電球ではなくデコーダーに送られて、デコーダーが電球を制御します。

列車の動きを制御するのはデコーダー

デジタル式では、電力だけでなくデジタル信号も同時に送る必要があるため、レールに交流の電気を流しています。交流の電気では信号を電気に混ぜて送信することができるためです。
コントローラーから発信された命令信号は、電力と一緒にレールを伝わって各列車に届きます。
例え列車が停止している時であっても、レールには常に最大の電圧がかかっていますから、列車が動いているいないに関わらず、ライトをオンオフしたり、サウンドを鳴らしたり、煙を出したりといった機能がいつでも自由に使用できます。

デジタル式では1本の線路の上にたくさんの列車を置いておくことが出来る

デジタル式の運転は、現実の鉄道に置き換えて考えると理解しやすくなります。
現実の鉄道では、1本のレールの上に複数の列車が存在していることはごく当たり前です。
ものすごいローカル線でもない限り、線路上にはたくさんの列車が存在しています。ものすごいローカル線でも、走っている列車の他に停まっている列車や待機している列車などは存在していることが多いです。

仮に、アナログ方式の運転で山手線を走らせたとすると、すべての列車が同時に走り出して同時に停車してしまいます。走っている時の速度もみんな同じです。
これに対してデジタル方式では、現実の山手線と同じように個別に列車を制御することが出来ます。複数の編成をそれぞれ引き込み線に分けて止めておかなくても、縦列駐車のように止めておいて次々と列車を入れ替えて遊ぶことも出来ます。
つまり、デジタル鉄道模型の方が本質的に、少ない線路の上にたくさんの列車を置いておけるということになります。
スペースを節約できるということも、動きのバリエーションが豊富になるということも、デジタル鉄道模型の方が有利な点です。

デジタル鉄道模型では各列車にそれぞれ個別に指示が出せる

デジタル鉄道模型の運転操作は運転指令室員のようだということは、運転士の操作だけでなく、鉄道を運行する様々な仕事のうち、自分が好きな部分を人間が操作することができるということです。そして人間が担当しない操作は、コントローラーが自動で代行してくれます。
運転士ごっこをして遊びたければ、いつでも好きな列車の運転士になってその列車を運転することが出来ます。自分が運転している間は、同じレイアウト上を走る他の列車の操作や、信号機・ポイントの切換などはコントローラーに任せることが出来るので、より運転操作に集中できます(もちろん全てを手動にすることも出来ます)。
反対に列車の運転をコントローラーに任せて、自分は信号機の切換やポイントの切換だけに集中することも出来ます。または、駅のアナウンス放送を流すことを担当する、保線だけをやってみるなど、鉄道に関わる様々な職業になりきって遊ぶことができます。

ちなみに私は保線はけっこう好きです。やってみたら意外と楽しいのです。
現実の保線会社にも見学に行ったりしてしまいました。
鉄道模型でも列車が安全に正しく走行する根本を担うのは保線です。保線あっての走行だなと、メルクリンを走らせることで実感できました。

デジタル方式は決して難しいわけではなく操作は簡単です。例えば、全自動運転の場合には全く何も操作しなくても済みます。
運転操作でも、ワンタッチで走らせる方法から、実車同様の手順を踏んだ操作まで、好きな操作方法を選択することが出来ます。
操作が簡単でなければ、複数の列車を制御することはとてもできません。機能は多いですが、そのすべてを知っている必要はありませんし、知れば知るほどできることが増えて楽しくなります。

3線式のレールは架線と同じ仕組み

レールから列車に電力や信号を取り入れる仕組みを、集電方式と言います。
メルクリンでは3線式と呼ばれる集電方式を採用しています。
3線式とはその名の通り、レールが3本ある仕組みのことです。

3線式を採用している模型は極めて少ないです。
同じメルクリンでもZゲージと1番ゲージは2線式です。NゲージやDCCなど多くの他の鉄道模型でも2線式を採用しています。
つまり、3線式を採用しているということが、メルクリンHOが他のシステムと互換性がなく、大きく仕組みが異なっている最大の原因とも言えるのです。
そして同時に、この3線式こそが実は『走らせるためには非常に有利な仕組み』なのです。

3線式の鉄道模型で遊んだことがある人は少ないのではないかと思います。特に日本ではそうでしょう。
そのため3線式については、レールが3本あるんだ程度の認識しかされておらず、メリットについては理解されていないことが多いのが現状だと思います。
そこで、ここは特に詳細に説明しようと思います。

3線式と2線式の違いの図です。
2線式は左右2本のレールからそれぞれ電気を取り入れています。
それに対して、3線式は中央の1本のレールと、左右の2本のレールが対になっています。

3線式は中央の1本のレールと、左右の2本のレールが対になっています

左右2本のレールから集電することのデメリット

鉄道模型は電気の力で動いているので、最低限プラスとマイナスの2本の線が必要です(これも豆電球と同じですね)。この2本の電線の役割をしているのがレールです。

2線式では左右のレールを、それぞれプラスとマイナスとして使って集電しています。
正確にはメルクリンやDCCなどのデジタル鉄道模型では、レールには交流の電気が流れているため、プラス極とマイナス極という概念はありません。それでも2本の線が対になって必要という点は同じですので、図ではわかりやすくするために赤と青で色分けしました。
2線式では、左右1本ずつのレールが対になっているということが重要です。

現実の鉄道のレールを見てみると、レールが2本しかない鉄道がほとんどであるため、模型でも2本の方が見た目が実感的で良いと考えるのはある意味当然です。
確かに『見た目』はそうなのですが、一方で電気的に考えると、現実の電車で左右のレールから電気を取って走っている鉄道というのはありません。
本物の電車は上空に張られた架線から電気を取り込んでいます。架線とレールで1対の電線として利用して走っているのです。
中にはレールの横に3本目のレールを敷いて、そこから電気を取っている鉄道もあります。地下鉄などではよく見られる方式で、3線式(第三軌条方式)は本物の電車でも存在しています。

ではいったいなぜ、本物の鉄道は左右2本のレールから電気を取らないのでしょうか。
ひとつには踏切が存在するからです。JRの線路の場合には、2本のレールの間は約1m程度しか離れていないので、もし両方のレールを同時に踏んづけてしまうと感電してしまいます(人間の体は電気を通します)。
第三軌条方式でも3本目のレールが地上にありますが、地下鉄などでは構造的に踏切がなく、こうした問題が発生しないから採用されているとも言えるのかもしれません。
しかし、もっと大きな問題として、左右2本のレールから電気を採ると困ることになる場所があるのです。

例えば、レールが分岐するポイント部分がそれです。
ポイントでは必ず左右のレールが同一平面上を交差することになります。左右のレールで別の電気を使うためには、この区間は絶縁しなくてはなりません。
レールだけでなく、車輪が通過する際にもう片方のレールと接触してしまってもショートが発生するので、その対策も必要です。

2線式では絶縁区間が多くなる

また車輪は円形をしているので、レールと接触する部分は理論的には1点のみです。
左右に2個しか車輪がないシンプルな車両で考えると、レールとの接点は全部で4点で、左右のそれぞれ2点ずつでしか集電できないことがわかります。
ポイントを通過する際には車輪が絶縁区間を通過することになりますから、1点のみしか集電できない瞬間が必ず発生します。
ポイントが連続する区間(駅など)だったり、レールの汚れやジョイント部があれば、2個の車輪の両方が集電できない状態になることは、実際にはかなりの確率で発生してしまいます。

また、2線式とした場合には、電気のひとつの極が車両の同じ側に並んでいる状態になっています。
ですので、レール上のどこか1点でも断線があった場合には、その先には電気がうまく届かず電圧降下や集電不良の原因になってしまいます。

レールの途中が途切れているとその先には電気が届かない

この構造は模型でもそっくりそのまま同じことが言えます。 ジョイント部などはどうしても接触が良くない状態になりやすいです。しかし、存在するすべてのジョイント部が良い状態で接続できていないと、集電の効率が大きく下がってしまうのです。
集電状況を良くするためには、レールの汚れを取ったり、ジョイントの接続をしっかりさせたり、車両側でもなるべく多くの複数の車輪から集電をするような仕組みにする必要があります。
2線式は『レールが2本』という見た目を重視してはいますが、走行性能や電気的には構造的な弱点があることも事実なのです。

3本目のレールは実は架線

3線式にはその名の通りレールが3本あります。
中央にある1本のセンターレールと左右の2本のレールで1対の電線になっています。左右のレールは電気的に繋がっていて独立していない点が大事です。
レールが3本あると言っても、中央のセンターレールは写真のように突起状になっています。枕木の部分に点々と飛び出している突起が3本目のレールです。
近くで見ればわかりますが、遠目では見た目にはっきりと3本目のレールがあるようにみえるわけではありません。

3線式のレールの写真

3本目のレールが真ん中にあるというのは違和感を感じるかもしれませんが、架線を地上に敷いた状態だと考えるとわかりやすいと思います。電車の架線は空中に張られていますが、それを地上に降ろした状態です。
そう考えると、真ん中のレールから集電して左右のレールに流すという方式は、架線で走る電車と何も変わらない方式であることがわかります。

架線を使用している電車ではパンタグラフを使って電気を取り込んでいます。地上に架線があるメルクリンでは、どうしているのでしょうか。
実は列車の下側、お腹の部分にパンタグラフと同じものが付いています。これを『集電シュー』と呼びます。
集電シューはパンタグラフとは反対で下向きになっていますが、同じようにすり板と高さに合わせて追従できるような支えの部分から構成されています。
走行に合わせてセンターレールの複数の突起にぴったりと接触するようになっているのです。
メルクリンの車両は、集電シューと左右の車輪が対になってレールと接触することで、電気を取り込む仕組みなのです。

メルクリンの列車には底部にシューが付いている

断線に強く、線形の自由度が高いことが3線式のメリット

3線式の場合には線路自体が、中央のセンターレールを中心にして電気的に左右対称になっているので、ポイント部でレールがクロスしてもショートすることはありません。 また、左右のレールは電気的には同じ極になっていて線路の裏側で繋がっているので、車両に付いている車輪のうち左右のどこか1カ所だけがレールと接触していれば電気は正常に流れることができます。
左右にそれぞれ2個の車輪がある動力車で考えると、シューがセンターレールの複数の突起と接触していて、車輪は4点でレールと接触していることになります。4点の車輪のうちいずれか1点でも集電可能状態になっていれば電気を取り込むことが出来ます。
4点すべてがレールから離れている状態というのはほとんど脱線しているような時にしか発生しませんから、極めて確実に電気を取り込むことが出来る方式です。

3線式は電気的に安定している

また、万が一どこかでレールが途切れていたとしても問題ありません。
仮にジョイントや線路の一部が切断されていたとしても、他に何カ所も繋がっているので電気が回り込むことができるため、伝達には何の問題も発生しないのです。
左右のレールが電気的に同じ役割ということは、お互いがお互いを常にバックアップしている状態なので安心です。

左右のレールがセットになっていることでバックアップの役割を果たす

メルクリンではレールを切断してセンサーに使用することがあり、レイアウト上の線路を実際にズタズタに切り刻むことがあります。しかし、走行には何の問題もないのです。
たった1本レールが多いだけですが、左右のレールが2本とも代替が効かない生命線である2線式より、遙かに信頼性が高い設計になっていることがわかります。
ちなみにメルクリンのCトラックレールでは、レール同士の接続にはジョイントを使用していないので、元々レールとレールの間はわずかに離れています。
レール同士の接続にジョイントを使用せず、専用の接続端子設計になっていることも集電性能の向上に役立っています。
※メルクリンからはジョイント方式で接続するKトラックというレールも発売されています。

ジョイント接続ではない専用設計による接続部

レールが電気的に左右対称の形であるということは、レイアウトを作る上でもメリットがあります。
2線式のレールでは下図のように、走って行った列車がそのまま逆向きになって戻ってくる形にレールを繋いでしまうと、左右の極性がぶつかってしまいショートしてしまいます。このような形を『リバース配線』と言います。
2線式ではリバース配線をする場合には、ギャップ(絶縁)を切ったり、極性の反転をしたりといった特別な制御が必要になります。

2線式ではリバース配線では制御が必要

3線式のメルクリンではリバース配線は構造的に発生しません。左右対称になっているため、どのような形にレールを繋げてもショートはしないからです。むしろレールを繋げば繋ぐほどバックアップになる回路が増えて、電気的には安定します。
リバース配線は特殊な形だから、そういう風に線路を繋がなければ良いと思うかもしれません。しかし、問題なく出来ることと、出来れば避けた方がいいこと、は全く違います。

3線式ではリバース配線は問題にならない

レイアウトの項目で詳細を説明しますが、リバース配線は省スペースのレイアウトを組むときや、編成全体の向きを変えるときなどにとても便利な形です。
ところが2線式では制御が必要になるため、多くのレイアウトプラン集などでは最初からリバース配線を避ける形のプランが多く紹介される傾向にあります。しかし、メルクリンのレイアウトプラン集にはリバース配線はごく当たり前に使用されています。
私もやってみて初めて気がついたのですが、避けた方が良いレールのつなぎ方があるということは、それだけでレイアウトの組み方の自由度を無意識のうちに下げていることになるのです。

メルクリンでは自分の思うように好きなだけ、何も考えずにレールをつなげることが出来ます。それはちょうどプラレールのような感覚です。
プラレールでも端の方がくるっと回った形にレールをつなげることがありますが、あの形は2線式では制御が必要ですが、メルクリンでは同じように作れます。
鉄道模型のレイアウトには一定のスペースが必要だという感覚は、線路の自由度に制約があることが原因になっている場合が多いです。リバース配線が出来、自動で向きが変えられる機能があるメルクリンなら、空いている場所を見つけてから、その場所に収まるようなレイアウトを考えることも出来るのです。

デジタルで3線式であることが走るための最大の設計の魅力

メルクリンの特長をまとめると、デジタル鉄道模型で、かつ3線式であるということになります。
このことがメルクリンと他の鉄道模型との一番の違いであり、また同時に走行性能を重視する一番大事な点でもあるのです。

メルクリンの弱点

メルクリンにも当然、弱点やデメリットはあります。
良いことばかり書いても後で困りますので、悪いことも書いておきます。

取扱店がほとんど全くない

とにかく一番困るのは、日本国内には販売店がほとんどないということです。簡単には買えないだけでなく、メルクリンを見たり触ったりする機会がないのです。
このサイトで知ってもらえたらいいなと思っているのですが、正直なところ、動画で見ているだけではメルクリンの感動はちっとも伝わらないのです。

メルクリンは鉄道模型店で購入することが出来ますが、国内でメルクリンを取り扱っているお店は、一部の大都市に数店舗ある程度です。
また、あったとしても取扱量が少ないために取り寄せだったり、店員さんも知らないことが多かったりで、大変苦労します。
海外のオンラインショップなどで個人輸入という手もありますが、こちらは故障や修理の時にはリスクが伴います。

どうしようもないことなのですが、とにかくこれが一番困ります。
私は友達だった人がメルクリンの模型店を始めてしまったので、そのお店で購入していますが、買う度に東京から大阪まで出かけています。大問題です。

日本の電圧には対応していない

ドイツの製品ですので、ヨーロッパの電圧である230Vに対応していて、日本の100Vには対応していません。
そもそもなぜ日本だけが100Vという変な電圧なのかという根本的な疑問はありますが、それは仕方がないので、日本で使用する際には昇圧器(アップトランス)を使って、100Vを一度230Vまで上げるしかありません。

一部の販売店さんでは独自に日本対応の電源を付けてくけるお店もありますが、そうでなければ自分で解決するしかありません。

日本ではユーザーが極めて少ない

びっくりするくらい少ないです。全然知られていませんし、実際に遊んでいる人となると本当に少数です。
この件に関しては、このサイトが一定の貢献を出来ればいいなと考えています。

また、日本の列車は一切ラインナップされていないということも、気になる人がいると思います。
これは割り切るしかないです。

そもそも本物の鉄道自体が、日本はけっこう特殊なのです。
JRの在来線の線路幅は国際規格では狭軌であり、世界標準軌ではありません。
HOというのは1/87の縮尺のモデル(規格上の定義)ですので、メルクリンのレールの上に国際標準軌ではない列車を乗せると、縮尺がおかしくなってしまいます。
具体的には日本のJRの在来線車両をメルクリンHOの線路幅を基準にして作ると、他のメルクリンの車両と比較して、とても大きな車両になってしまうためHO(1/87)ではなくなってしまうのです。
※JRの在来線の車両をHOの縮尺で作ると、線路幅は16.5mmにはならないということです。

また、日本国内にはJRだけでなく、様々な線路幅の狭軌が存在しています。東京の地下鉄ですら、線路の幅は3種類もあるのです。
Nゲージなどはそれを上手にデフォルメして、違和感がないように作られています。
メルクリンHOは欧米型でも、1/87では同じ線路を走れない車両(例えばスイスの氷河特急など)は発売していません。
もし日本の列車を作るとしたら、近鉄電車や新幹線などの標準軌のレールを走る車両に限られることになります。日本の鉄道模型を再現することはまず無理だと考えた方がいいでしょう。

日本の列車は線路幅が違うため、同一の縮尺では同じレール上を走ることが出来ない

日本の鉄道模型は日本のNゲージなどで楽しむ方が良いと思います。
欧米の列車も素敵な車両はたくさんありますので、走らせていればそれがどんな列車か知らなくてもあまり気にはなりません。気になったら実車に乗ってみたり、調べたりするのも楽しいことだと思います。

正直万人向けではない

率直に言うと、このような状況ですので、万人が簡単に買えて遊べるという鉄道模型ではないです。
しかし、だからこそ興味があって購入している人には、きちんとした情報を提供したいと思っています。
車両のことを紹介するサイトはあっても、走行に特化したサイトは少ないので、これからもがんばっていきたいと思います。